パーカーをハーフジップに変えてみた!

今回のお直し商品
ブランド
nano・universe(ナノ・ユニバース)
素材
ポリエステル

特殊なプリントで、織り柄を表現しているトリッキーなパーカー。ポリエステル素材なので軽くて乾きが早い。綿素材にはない光沢感。

青森県八戸市で洋服お直しをしております、Oh!Oh!(ダブルオウ)です。

八戸って

春 ちょい寒い

夏 暑い

秋 寒い

冬 めっちゃ寒い

という感じでだいたい寒いのです。シャツ1枚でフラフラ歩ける陽気なんてほとんどない。そんな八戸でちょうどいいのがパーカー。ほぼオールシーズン活躍してくれる頼れる相棒なのです。

私も買いました。ナノユニバースの「TRICK SWEATプルパーカー」というやつ。

いい感じにディスプレイしてみました

いやー軽い!すぐ乾く!あったかい!

ヘビロテですよ!!

お直ししてからな!!!

ナノユニバースさん、いつも手頃な価格で使い勝手の良い服を作ってくださるのですが、ごくたまに謎仕様の服があります。このパーカーがそうでした。見てください。

まじ脱げない!

首もげる!

ほんとこれ、大袈裟じゃないんですよ!子供用かってくらい襟ぐりがせまい。

毎度、顔ががっつり擦れて真っ赤になります。つらぃ。。でもせっかく買ったし。。。

というわけで、父に相談です。

これさぁ、ハーフジップにできる?

あー、これ面倒だね。ここ、襟ぐりが重なってるでしょ?

きれいに仕上げるならフードを一旦外して、重なってる分だけ詰めて、付け直す。簡単でいいなら重なってる部分を内側に折ったり…

きれいな方だな!

そうすると、結構手間が

きれいな方だな!!!

………。

さて、ここからはお直し内容をダイジェストでお送りします。

まずはどんなファスナーにするかです。今回は、パーカーにもともとついてる金具とテイストを合わせて準備しました。候補はこの2つ。

左がスタンダードなメタルファスナー、右は高級な「EXCELLA®」。どちらもYKK。

パーカーの金具と色味がほとんど一緒で違和感ないですね。よかったよかった。で、今回は右側の「EXCELLA®」を使用することにしました。ちなみにこれ、高級バッグなどに使われるYKKの最高級メタルファスナーです。めっちゃ滑りが良い。音も良くて開け閉めが快感。あと、肌に触れても全然痛くない。左のやつは若干チクチクするのよね…

さて、ファスナーの位置は大事ですので、ど真ん中に白くしるしをつけておきましょう。

フードをはずします。生地を傷つけないように、糸だけ抜いています。

ちなみにこの糸を抜く道具は「リッパー」

後ろの襟についてる「バイアステープ」もきれいにはずします。再利用しますので。

手に持ってる黒いのが「バイアステープ」

フードがきれいに取れました。

取り外したフードを詰めます。下の写真で白い線を入れていますが、このくらい詰めます。

フードを裏返して縫いまして…

余った部分をロックミシンをかけながら切り落としていきます。

そうすると、あの前襟の重なった部分がなくなって、ぴったりサイズになります。

お直ししたフードがこちら。普段見ることがない裏側バージョン。

さて今度は本体です。裏返しにして、ファスナーを付ける部分に補修布を貼り付けます。これは、生地の伸縮をおさえ、ファスナーがしっかり固定されるようにするため。

切りました〜

お次は裏地を作っていきます。型紙を作って…

それに合わせて、やわらかくて肌触りのよい生地を切ります。

裏地のベースが完成。

ファスナーと一緒につけました。裏地はまだ仮の状態です。

こうやって裏地をつけると、ファスナーと肌が触れにくくなりますし、ファスナーの開閉時にかかる力を分散させることができます。

いよいよフードと本体を仮留めし、縫い付けていきます。

完成!!

さすが父、めっちゃきれいです。

裏はこんな感じ。本当は裏地をこんなに広くしなくても良いのですが、父が楽しそうだったので良しとします。

全身はこんな感じ。いいですね〜

いやぁ、いいですね〜

ストレスから解放された私。

めっちゃうれしそう

今回の記事では、実際の工程の7割程度をご紹介しました。本当は、もっと細かい仕事がたくさん隠れています。

着ていて「なんか気持ちいいなぁ」と感じる服には、こういった細かい仕事の積み重ねがあったりします。我々は、見た目だけではわからない「心地よさ」もお届けできたらなぁと考えて、お直ししております。

本当はヘビロテしたい惜しい服がありましたら、気軽にご相談くださいね。